皆さん、こんにちは。
茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。
工場や大型ビル、商業施設などで太陽光発電を導入されているケースも多いことかと思います。その時に悩ましいのが、ソーラーパネルの老朽化。
太陽光パネルの耐用年数は20〜30年程度と言われており、先駆けて太陽光発電を導入された企業様や施設は、こうした悩みを目前に控えていることでしょう。
耐用年数を迎えるのはまだまだ先……とお考えになっている場合でも、いつかは必ず直面しなければなりません。
今回は太陽光パネルの交換や、老朽化したソーラーパネルの処分方法、そして話題になっている太陽光パネルの2030年問題などについて解説します。
■太陽光パネルの法定耐用年数とは?
太陽光パネルの導入を促進したFIT制度が始まってから早10年が経ちました。そこで問題になってきているのが、太陽光パネルの劣化です。
・太陽光パネルの法定耐用年数とは?
太陽光パネルの法定耐用年数は17年間です。これは企業も会社員個人も変わらず、17年が適用されます。
したがって副業でも、売電目的で太陽光発電設備を稼働させている場合なら、法定耐用年数は17年と心得ておきましょう。
・自家消費型の場合の法定耐用年数は違う?
ただし自家消費型の太陽光発電の場合は、法定耐用年数が変わってきます。
ポイントは、何を生産しているのか、ということ。使用用途(最終生産物)で耐用年数は変わってきます。
たとえば、自社工場内で自動車製造設備を稼働するために太陽光発電システムを導入した場合、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第2」の「23 輸送用機械器具製造業用設備」に該当するため、耐用年数は「9年」になります。
農業用設備なら「25 農業用設備」に該当するので耐用年数は「7年」、半導体集積回路を製造する場合は国税庁の「機械及び装置の耐用年数表20番」その他の設備が適用されるので、耐用年数は「8年」となります。
使用用途により経費の計上方法も変化することを知っておくとよいでしょう。
■老朽化の兆候にはどんなものがある?
では、太陽光パネルの老朽化は、どのようなサインで判断すればよいのでしょう?
・パネルの破損
木の枝や小石など、台風や強風による飛来物で、パネルが破損するケースがあります。
太陽光パネルは、表面が強化ガラスで覆われていて破損に強いのですが、裏側は破損しやすい傾向があります。
特に屋根に設置するのではなく、野立てで太陽光パネルを設ける場合、裏側に飛来物がぶつかることがあります。カラスによる投石もあなどれません。架台のひずみで破損することもあります。
・ホットスポットの発生
太陽光パネルの一部分が発熱する現象をホットスポットと呼びます。内部配線が腐食したり、表面に生じたヒビ割れが原因となって起こります。
ホットスポットが生じると発電量が定価したり、製品の寿命が短くなったりするリスクがあります。またホットスポットは100℃以上になることもあり、時として発火を招くこともあるので要注意です。
・層間剥離の発生
層間剥離(そうかんはくり)とは、表面の強化ガラスとセルの間に隙間ができることにより、パネル層の一部が剥離する現象を意味します。発生の原因は湿気や温度変化。層間に水や空気が入り込むと剥離して、その部分が白く変色してしまいます。
変色した箇所は発電量が低下するので、結果として製品の寿命が縮まる可能性も否めません。
■老朽化した太陽光パネルはどうすればいい?
では、老朽化したパネルはどのような処置をとればよいのでしょう?
・パネルやパワーコンディショナーを交換する
妥当なのはパネルの交換。ただし破損しても発電できる場合もあるので、太陽光パネルを設置の経験豊富な業者など、信頼できる専門家にまずは相談するのがよいでしょう。1枚破損しても5枚破損しても、施工費用はあまり変わりません。また交換する場合、パネルの単価は割高になります。
パネル交換でネックとなるのが、すでに同型式が生産中止というケース。場合によっては同じメーカーでも寸法が変わり、架台にはまらないというトラブルもあります。
パネルだけでなくパワーコンディショナーも劣化します。パワーコンディショナーはパネルよりも一般的に寿命が短く、耐用年数は10〜15年ほど。長期的に運用するのなら、パワーコンディショナーの交換費用も見込んでおくと安心です。
・リサイクル・リユースで処理する
リサイクル・リユースする手もありますが、現実問題としてあまり進んでいません。
リユース基準がないため、リユースそのものが選択肢とならず、産廃処分が一般的です。というのも、リユース品は廃掃法の範疇ですが、自治体により解釈や運用が異なり、こうした事情が妨げとなっているのです。またリユース品に対して申請可能な補助金がないというのもネックの一つ。
ちなみにリサイクルに関して言えば技術そのものは進んできているのですが、まだ費用面でコストパフォーマンスが悪く、撤去後は大半が埋め立て処分されています。
■太陽光パネルの2030年問題とは? 太陽光パネルの導入は処分のことも考慮が必要
太陽光パネルの導入は右肩上がり。そこで問題となっているのが、初期に設置されたパネルの大量時廃棄です。
特に2030年は大量排出の一つの節目とみなされており、これを太陽光パネルの2030年問題といいます。
FITの恩恵を受けて太陽光パネルが大量に設置されたのが2010年で、パネルの法定耐用年数が17年、また実際の耐用年数が20〜30年ということを考えると、20年後の2030年が大量廃棄の第一ピーク……というのがその理由です。
さらに環境省の試算によると、2040年代前半には廃棄量が年間最大50〜80トンにものぼるというデータも出ています。
2023年7月から廃棄費用積立制度の義務化が始まり、政府も太陽光パネルのリサイクル義務化へ法制化を検討しているものの、まだ明確な法整備ができていないのが実情です。
こうした状況も鑑みて、太陽光パネルの回収・収集運搬システムの構築や、トレーサビリティの確保、また生産者・排出者・処理事業者責任の円滑な接続が求められています。
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太陽光パネルのリユースやリサイクルを含む運用は、2025年に大きな動きが起こる可能性もあります。関連するルールや法律、最新情報を確認するのがおすすめです。
太陽光パネルの交換・修理を検討される場合は、お気軽に平沼電設にご相談ください。交換も、ご予算にあった最適なご提案をさせていただきます。
茨城県鉾田市を拠点とし、太陽光パネルの設置・メンテナンスに豊富な実績を持つ平沼電設では、着工前の打ち合わせから施工プランのご提案、設計、施工、そしてメンテナンスや修繕工事に至るまで、すべての工程をワンストップで対応します。お客様のニーズに合わせた最適な提案で、事業の継続性を高めるサポートをいたします。
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