皆さん、こんにちは。茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けている平沼電設です。
最近、銅線ケーブルの盗難が全国各地で多発しています。特に太陽光発電施設では、金属価格の高騰により、銅線ケーブルが盗まれる事件が急増しており、その被害は深刻です。
このままでは、太陽光発電に当てられていた保険の予算もなくなり、太陽光発電が使えなくなる可能性も出てきています。
そこで本記事では、銅線ケーブルの盗難が発生する背景と、その防止策について詳しく解説します。太陽光発電装置を設置している、または設置を検討されている施設のご担当者様は、施設の安全を守るために、ぜひ参考にしてください。
■太陽光発電普及状況について
日本では、太陽光発電が急速に普及しています。2021年の導入実績を見ると、日本はアメリカに次いで世界第3位となり、全世界の導入量の約11%を占める結果となりました。
この普及の背景には、2012年に始まったFIT制度(固定価格買取制度)の存在があります。FIT制度とは、発電した電力を一定の価格で一定期間、電力会社が買い取ることを国が保証する仕組みです。この制度のおかげで、太陽光発電の設備容量は2021年までの約10年間で約12倍に増加しました。
もともと日本は電力自給率が低く、石油や石炭、天然ガスなどの燃料をほとんど輸入に頼っています。さらに、温室効果ガスの排出量では世界第5位の排出国です。
このことから、日本では再生可能エネルギーの導入が急務となっており、中でも太陽光発電が重要な役割を果たしています。
■銅線ケーブルの盗難が多発!
近年、太陽光発電施設にある銅線ケーブルが盗難の被害に遭うケースが多発しています。そこで疑問となるのが「なぜ銅線ケーブルなのか」ということではないでしょうか。
この章では、銅線ケーブルの盗難が多発している原因と被害について紹介します。
・なぜ銅線ケーブル?
銅線ケーブルは、高い導電性と耐久性から、電力供給に不可欠なケーブルです。特に近年では、銅の価格が高騰していることから、その価値は高く、転売目的で盗まれるケースが増えています。
中でもターゲットとなりやすいのが、太陽光発電施設にある銅線ケーブルです。太陽光発電施設は郊外に設置されていることが多く、一目につきにくいことや、敷地が広大であること、施設が無人であることなどが原因として考えられます。
盗まれた銅線ケーブルは、金属スクラップ買取業者に持ち込まれて現金化されたり、再販されて違法な金属取引市場で高値で取引されたりすることが多くあります。
・太陽光発電施設の被害状況は?
銅線ケーブルの盗難が発生すると、太陽光発電施設では運営をストップせざるを得ません。これにより、修復費用や保険料の負担に悩まされるなどの深刻な問題が生じています。
今年2月、日本損害保険協会が発表した調査によると、金属ケーブルなどの盗難による保険金が5年前の約20倍に達し、持続的な保険提供が困難になる可能性が指摘されました。
特に栃木県内では、今年3月までの3か月間で金属を狙った窃盗事件が578件も発生し、前年同期の倍以上に急増しています。その大半が太陽光発電所の送電用銅線ケーブルを狙ったものです。同様の事件が茨城、群馬、埼玉、千葉などでも確認されており、被害総額は億単位にのぼっています。
■太陽光発電協会が異例の注意喚起
相次ぐ銅線ケーブルの盗難を受け、太陽光発電協会は異例の注意喚起を発表しました。
・対策方法の紹介
太陽光発電協会が推奨する、銅線ケーブルの盗難防止対策を、設備面と運営面の2つに分けて紹介します。
① 設備・設計面における対策
もともとの設備・設計面における対策では、露出(コロガシ)配線をなるべく避けることが重要です。配線が露出していれば、当然狙われやすくなります。盗難のリスクが高い露出配線は避け、地下埋設配管にする、または、ケーブルラックの強化を行いましょう。
しかし、地下埋設配管であっても盗難の被害に遭うことはあります。簡単に抜き取られないよう、配線を複数箇所に設置したり、ハンドホールのロックを強化したりして、容易にアクセスできない状況をつくることが大切です。
また、フェンスや柵を設置して、施設内への侵入を困難にしたり、草刈りを行って施設内を外から見えるようにしたり、といった対策も効果的と言えます。
② 運営面における対策
運営面では、セキュリティシステムの導入と緊急駆け付け対応などの整備が推奨されます。
最近の侵入アラートシステムは、不審者を検知すると光や音で威嚇し、スマートフォンに映像を転送して、そのまま警察へ通報できるような優秀なものもあります。また、銅線ケーブルに直接取り付けるタイプのケーブル盗難異常検知システムも有効です。緊急駆け付けができる警備会社と契約しておけば、何かあっても被害を最小限に抑えることができます。
さらに、近隣住民や他の発電所との防犯協力体制をつくり、地域で盗難対策を行うことも効果的な対策です。万が一に備え、動産保険や休業損害保険への加入も検討するといいでしょう。ただし、防犯対策が不十分な場合、保険が適用されないことがあるため、しっかりとした対策が求められます。
これらの対策を徹底することで、銅線ケーブルの盗難リスクを大幅に減らすことができます。できるならば、犯人が下見をした時点で、ターゲットから外すような対策をしたいものです。
■銅線ケーブルが盗まれると復旧に時間がかかるかも
銅線ケーブルが盗難に遭うと、その復旧には1〜3か月かかる可能性があります。
まず、被害状況の確認や保険手続きに時間を要します。次に、新しい銅線ケーブルの調達にも時間がかかるかもしれません。特に、銅の価格が高騰していることや、銅の需要が増加している影響で、資材の供給が滞ることも考えられます。
さらに、復旧工事には専門技術が必要であり、技術者の手配や工事スケジュールの調整も必要です。
このように、盗難被害が発生すると、発電施設の運営に深刻な影響を及ぼし、長期間のダウンタイムが発生するリスクがあります。そのため、事前の防犯対策が極めて重要です。
■銅線ケーブルの盗難対策を見直しましょう!
銅線ケーブルの盗難は、太陽光発電施設にとって長期間の休業と、大幅な収益低下のリスクを伴う重大な問題です。対策を怠ると、復旧に長い時間がかかり、運営に大きな支障をきたします。そこで、防犯対策の見直しが必要です。
露出配線を避け、地下埋設配管やハンドホールのロック設計、フェンスや鍵の強化、セキュリティシステムの導入など、効果的な防犯対策を行っていきましょう。
そのような銅線ケーブルの盗難対策には、経験豊富な専門業者による設置が最も効果的です。適切な防犯対策を講じることで、施設の安全性を大幅に向上させることができます。
株式会社平沼電設は、茨城県鉾田市を拠点に30年以上の経験を持つ電気工事会社です。
着工前の打ち合わせから、施工プランの提案、設計、施工、さらにはメンテナンスや修繕工事まで、一貫して対応できるワンストップサービスを提供しています。このサービスにより、低コストで高品質な施工が可能です。
また、平沼電設は工場や病院、ホテルなど、さまざまな現場で受変電設備工事や各種電気配線工事を手掛けており、お客様のニーズに応じた多様な施工が可能です。銅線ケーブルの盗難対策や設置はもちろん、太陽光発電や蓄電池の設置工事にも対応しています。
防犯対策の見直しや新たな設置工事についてお悩みの際は、ぜひ株式会社平沼電設にご相談ください。確かな技術と迅速な対応で、皆様の大切な設備を守ります。お問い合わせはお気軽にどうぞ。