漏電ブレーカー(遮断器)とは?漏電が起きる原因と落ちたときの対処法を解説

皆さん、こんにちは。茨城県鉾田市を拠点に、工場や店舗の電気工事を手掛けております平沼電設です。


電気を安全に使うために、電気の使用場所には漏電ブレーカーが設置されています。漏電ブレーカーが落ちると、送電に何らかの問題があったことが考えられます。


漏電による感電や火災などの事故を防ぐために、漏電ブレーカーの役割および漏電ブレーカーが落ちた時の対処法などを解説します。




■漏電ブレーカー(遮断器)とは?



漏電ブレーカーとは、電気器具や配線などに通っている電流の漏れを検知すると、電気回路を自動的に遮断する安全装置です。電気を使用するほとんどの建物に取り付けられています。分電盤の中央にあり、スイッチの近くに漏電ブレーカーと記載されていることがほとんどです。


15アンペアから30アンペア程度漏電すると、ブレーカーが作動する仕組みです。漏電ブレーカーの役目は、漏電を防ぎ感電や火災などの重大事故を防止することです。それ以外に、過電流が発生した場合にも、電気の流れを遮断します。


アンペアブレーカーと同じように、漏電ブレーカーが落ちても家全体が停電します。漏電ブレーカーが正常に作動するのを確かめるには、テストボタンを使います。




■通常のブレーカーとの違い


ブレーカーには、漏電ブレーカーのほかに安全ブレーカーとアンペアブレーカーがあります。どのブレーカーも、似た機能を備えていますが、安全ブレーカーとアンペアブレーカーは過電流を防ぐことがメインの役割です。


過電流は、オーバーカレントとも言われており、電気を使い過ぎることで契約アンペア数を超える電流が流れる現象をいいます。


漏電ブレーカーにも過電流を防ぐ役割はありますが、メインの役割は漏電を遮断することです。




■漏電ブレーカー(遮断器)が落ちたが原因が不明な場合



漏電ブレーカーが落ちた時には、建物内のどこかで漏電が起きていると考えられます。安全に電気を復旧させるには、どの回路で漏電が発生しているのか、早急に特定しなくてはなりません。原因を特定するには、次の方法でブレーカーを操作しましょう。


1.送電を止めるため、全てのブレーカーのスイッチを下げ、「切」の状態にします。

2.アンペアブレーカーと漏電ブレーカーのスイッチを上げ、「入」の状態にします。

3.安全ブレーカーのスイッチを、ひとつずつ「入」の状態にします。

4.安全ブレーカーを上げたタイミングで漏電ブレーカーが落ちたら、該当の部屋で漏電が発生しているため、安全ブレーカーを下げたままにします。

5.漏電していない部屋の安全ブレーカーを上げて「入」の状態にします。

6.漏電している部屋で、漏電の原因となっている家電や配線を見つけます。


漏電の原因となった部屋以外の電気は、そのまま利用して問題ありません。




■漏電ブレーカーが落ちる原因



電気設備の状態や周辺環境などにより、漏電が発生しやすくなることがあります。漏電ブレーカーが落ちるときには、どのような原因が関係しているのでしょうか。



・配線や絶縁体の劣化

電化製品に使われているプラグや、家中に張り巡らされている電気配線は、長年の使用で少しずつ劣化が進みます。また、プラグや配線に負荷がかかる使い方をしていると、絶縁体が破損してしまう場合もあります。


これらの原因により、絶縁体の内部にある動線がむき出しになり、絶縁できなくなることで漏電につながるのです。



・天候などによる漏電

漏電ブレーカーが落ちる原因として最も多いのが、湿気・雨水・結露などによる水濡れです。電化製品は湿気に弱く、製品の内部やコンセントに水が浸入すると、漏電の可能性が高まります。ケーブルが水に濡れることでも、絶縁体の機能が低下し、漏電するおそれがあるのです。


梅雨の時期には、特に漏電に注意しなくてはなりません。劣化した建物の内部へ、雨漏りにより浸水すると、水が電気配線まで達して漏電が起こるケースがあります。さらに、落雷が発生すると「雷サージ」という現象が起こる場合があり、落雷による電気が電話線などを伝って建物内に侵入するのです。これらの事態を防ぐため、梅雨の時期は普段以上に電化製品周辺の清掃を徹底することが望ましいでしょう。



・コンセントのゆるみやホコリ

電化製品のプラグとコンセントの間に隙間があると、そこから漏電する可能性があります。さらに、隙間に蓄積したホコリが電気の通り道となり、空気中の湿気を吸い込んで漏電・発火する「トラッキング現象」を引き起こす原因になりかねません。


湿度が高くなる梅雨から秋にかけての時期は、ほこりが湿気を吸って漏電しやすくなります。トラッキング現象が発生しないよう、日頃から隙間部分の清掃を心がけましょう。



・電化製品の劣化や故障

電化製品で使われているコードなどの線は、電気を通しにくい素材で覆うことで、電気の漏れを防いでいます。電化製品の長期使用により、コードの素材や本体内部の回路・配線などが劣化し、漏電につながることがあります。


また、故障した電化製品は内部回路が破損しているため、そのまま使っていると漏電やショートの可能性が高まります。動作がスムーズにいかなかったり、接触がうまくいかなかったりする電化製品は、できるだけ使わないようにしましょう。電化製品の平均的な寿命は、製品の種類やメーカーごとで定められています。使用状況によって、寿命は短くなる場合もあるため、不具合がみられたらメーカーへ問い合わせましょう。




■漏電点検は業者に依頼した方が安心



漏電を見つけたら、感電や火災などの事故が発生する前に、適切に対処することが必要です。ただ、少しでも早く対処しようとして、素手のままケーブルを抜いたり電化製品を触ったりすることは絶対に避けましょう。


漏電が発生していると、その原因である電化製品などの周辺に電気が漏れている状態になっています。そのまま触れてしまうと、感電する恐れがあり、大変危険です。


漏電の原因はひとつではないため、原因の目星をつけていても他の家電や配線などが原因であることも考えられます。複数箇所で漏電が起こることも多く、目星がひとつ合っていても、他にも漏電の発生箇所を見落とす可能性もあります。


漏電が発生した場合は、無理に自分で対処しようとせず、電気工事店などの業者に問い合わせ、調査や修理を依頼するのが安心です。漏電ブレーカーの状況がいつもと違う・電気代が急激に上がったなどの症状が見られると、漏電の疑いがあります。漏電の点検や修理などのご依頼がございましたら、平沼電設までお気軽にご用命ください。




平沼電設では、茨城県鉾田市を拠点として、関東圏内における店舗・施設・工場の電気設備メンテナンスを請け負っております。漏電を防ぐための対策や定期点検、漏電が発生した場所の修理なども可能です。


漏電箇所の工事以外にも、太陽光発電システムの設置をはじめとして、キュービクルの設置・配線工事・工場やビルへの引き込み工事から、点検メンテナンスまで幅広く対応致します。豊富な経験に基づいた技術力と安全第一の施工管理で、丁寧なメンテナンスを行います。少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。