災害時の停電!大損害を受ける前に工場でできる停電対策とは?

皆さん、こんにちは。茨城県鉾田市を拠点に、電気工事を手掛けている平沼電設です。


近年では、自然災害による停電が多く発生しており、機械を動力源としている工場では甚大な被害が発生しています。停電による影響を最小限にして業務を続けるためには、事前の対策が欠かせません。


そこで本記事では、停電に備えるための基本的なポイントや、工場でできる具体的な対策についてご紹介します。

工場での停電に危機感をお持ちの経営者様はぜひ最後までご覧ください。




■様々な原因で起こりうる停電


デジタル技術の発達により、電力は私たちの生活に欠かせないものとなりました。特に工場運営においては、DX化が進むにつれ、生産効率や品質管理の水準が向上したことは確かです。しかし、デジタルが占める割合が増えれば増えるほど、停電によるリスクは増大します。


そもそも停電には様々な要因が考えられます。例えば、自然災害による大規模な停電から、工事中のミスによる停電、設備の老朽化による停電、夏場のエアコン使用時など電力の需要と供給のバランスが崩れた時に発生する停電などです。


中でも、地震や異常気象など自然災害による停電は、近年深刻化しています。2019年の台風15号では、千葉県で約64万戸が停電し、復旧に2週間を要した地域もありました。また、2018年の北海道胆振東部地震では、日本初の大規模停電(ブラックアウト)が発生し、商工関係の被害額は約13億円に達したと推定されています。


このような事例から、停電に備えた対策がいかに重要かは明らかです。工場においては、非常用電源を導入することで、停電時でも重要な設備への電力供給が可能となり、最低限の業務を継続することができます。




■停電で起こりうるトラブルとは


工場で停電が発生した際には、たとえ短時間でも大きなトラブルに発展する恐れがあります。ここでは、工場で停電が発生した際に考えられる主なトラブルについて、具体的にご紹介します。



・生産ラインの停止


工場で停電が発生すると、生産ラインが即座に停止し、製造中止に追い込まれます。安全な状態で電源が落とされなければ、データの破損等が生じ、復旧に時間がかかることも考えられるでしょう。

また、機械自体に大きな被害がなくても、復旧作業にかかる人件費や生産機会の損失は無視できません。生産ラインが停止することで、業務に大きな遅れが生じます。



・製品の不良発生


停電により機械が停止したり、室内の温度調節ができなくなったりすると、製品の品質に大きな影響を与えます。特に精密な温度管理や時間管理が求められる工程では、停電による製品への不良は避けられないでしょう。



・重要なデータが消失してしまう可能性


停電や電圧低下が発生すると、工場内の機器が停止し、重要なデータが消失する可能性があります。例えば、IoT技術を利用して24時間365日機器からデータを収集・通信している場合、停電によりセンサーの機能が停止し、重要な生産データが失われる可能性も高いです。瞬間的な停電であっても、データの喪失は重大な影響をもたらします。



・精密機器の故障


停電や電圧低下は、工場内の精密機器にも大きなダメージを与えます。急激な電力の遮断や復旧により、機器内部の電子部品が故障したり、システムエラーが発生したりする例も少なくありません。特に、高度な制御が必要な精密機器には、事前にトラブルを防ぐための対策が不可欠です。




■停電対策としてできること



工場で停電が発生した際には、被害を最小限に抑えることが重要です。そこで今回は、停電に備えて工場で実施できる有効な対策について詳しくご紹介します。



・BCPの策定


BCP(事業継続計画)は、災害や停電などの非常時においても、企業が事業を継続できるようにするための戦略的な計画です。2011年の東日本大震災で、多くの企業が倒産や生産停止に追い込まれたことをきっかけに、BCPの重要性が広く認識されるようになりました。


・BCPとは:事業継続計画

BCP(事業継続計画)とは、自然災害や感染症の流行、システム障害など、予期しない緊急事態が発生した際に、企業が事業を迅速に再開し、損害を最小限に抑えるための計画です。緊急時には、製造ラインの停止や取引先との連絡不能といった問題が発生しますが、BCPはこうした状況でも企業の持続可能性を高めます。



・データのバックアップ


工場における停電対策の一環として、データのバックアップは極めて重要です。停電が発生すると、機器やサーバーが突然停止し、重要な生産データや業務に必要な情報が消失するリスクが高まります。

バックアップの方法としては、クラウドストレージの活用や、物理的な外部ストレージへの定期的なバックアップが推奨されます。複数のバックアップ手段を組み合わせることで、停電などの緊急時に備えた万全なデータ保護が実現できるでしょう。



・非常用電源の設置


工場に非常用発電源を設置することで、停電時にも必要最低限の生産設備やシステム、PCなどに電力を供給し、業務や生産活動を継続することができます。


特に、瞬間的な停電や電圧低下(瞬断)に備えるためには「UPS(無停電電源装置)」が効果的です。UPSは電力供給の途絶を防ぎ、瞬断によるデータ損失や機器の誤作動を防ぎます。


さらに、非常用電源としては「太陽光発電」と「産業用蓄電池」を組み合わせる方法や、「LPガス」「ディーゼル発電機」を利用する方法も効果的です。


・UPS(無停電電源装置)とは

UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とは、停電や電力の瞬断時において、装置やデータを守るための電力供給システムです。通常、装置とコンセントの間に設置され、インバータ部と蓄電池部で構成されています。停電が発生しても、UPSが自動的に電力を供給し、サーバ-や生産設備などを安全に稼働させる役割を担います。



・緊急時の連絡体制の確立


工場における停電対策として、緊急時の連絡体制を確立しておくことは極めて重要です。まずは組織図などから、すでに定められている役割分担を再確認します。もし役割分担が明確でない場合は、非常時の責任者や担当者を決め、事前に周知しておきましょう。


停電が発生する時間帯や状況によっても、必要な対応や連絡先は異なります。さらに、停電時には固定電話が使えない可能性があるため、携帯電話やSNS、電子メールなどの多様な連絡手段を準備することも大切です。



・従業員への緊急時の対応教育


工場における停電対策に、従業員に対する緊急時の対応教育があります。緊急事態が発生した際、まず優先すべきは従業員の安全確保です。そのため、非常時の安否確認方法や避難経路の周知、定期的な避難訓練を実施することで、従業員が迅速かつ安全に避難できるようになります。




この記事では、工場における停電時のトラブルと安全対策について解説しました。工場の停電対策としては、BCPの策定や非常用電源の設置、従業員への緊急時の対応教育が欠かせません。

工場の停電対策の一環として、非常用電源としても活用できる太陽光発電システムや蓄電池の導入を検討している方は、ぜひ平沼電設にご相談ください。茨城県鉾田市を拠点とし、豊富な実績を持つ平沼電設では、着工前の打ち合わせから施工プランのご提案、設計、施工、そしてメンテナンスや修繕工事に至るまで、すべての工程をワンストップで対応します。お客様のニーズに合わせた最適な提案で、停電時のリスクを軽減し、事業の継続性を高めるサポートをいたします。


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