皆さん、こんにちは。茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。高圧ケーブルは、工場や中小企業、店舗事業者などで使用される重要な電気配線材料です。しかし、一般の方々が知らないようなニッチな知識も存在します。ここでは、高圧ケーブルの耐用年数と更新の必要性について、解説します。
■高圧ケーブルの耐用年数と更新の必要性
高圧引込ケーブルには一定の耐用年数が設けられていることをご承知でしょうか。実は、その耐用年数を超過した状態で高圧引込ケーブルを使用し続けると、大変危険な状態に陥る可能性があります。そこで本稿では、高圧引込ケーブルの耐用年数と、適切な更新の必要性につきまして、丁寧にご説明させていただきます。
■高圧引込ケーブルの耐用年数
屋内に設置された高圧引込ケーブルの耐用年数は、通常20年から30年ほどです。しかしながら、使用状況によっては差異が生じる可能性があります。ケーブルの絶縁体には熱や電気などの負荷がかかるため、30年以上の長期使用はお勧めできません。
また、直接地中に埋設されたり、管路や屋外ピットに設置されたりしている場合は、10年から20年程度での更新をご検討いただくことをお勧めします。特に、屋外や水の影響を受ける環境においては、劣化が早期に進行する傾向にあります。高圧引込ケーブルの耐用年数が近づいている場合は、更新の必要性について検討されることをおすすめいたします。
■高圧ケーブルを更新しないと…
高圧ケーブルは、お客様の受電設備と電力供給設備を接続する重要な設備です。耐用年数を超えた高圧ケーブルは、劣化や断線のリスクが高まります。これにより、電力供給の安定性や安全性が損なわれる可能性があります。耐用年数を超えて使用される高圧ケーブルは、劣化や故障のリスクが高まります。特に、絶縁体の劣化による漏電や、断線による停電事故などが発生する可能性があります。そのため、定期的な点検や耐用年数を遵守することは、安全性を確保するために欠かせない重要な取り組みです。もし、ケーブルの絶縁破壊などの事故が発生した場合、以下のような事象が生じる可能性があります。
・長期間、停電が起きる
ケーブルの長期使用により絶縁体に水トリーが発生し、耐電圧性能が低下する可能性があります。その結果、絶縁破壊事故が起こる可能性があります。万が一そのような事故が発生した場合、電力供給に支障をきたし、復旧までに数日から数週間を要することがあります。その間、営業停止や生産ラインの停止などの大きな影響が生じかねません。高圧ケーブルの交換には、通常数日ほどの時間を要することが一般的です。もし、予期せぬ事故によりケーブルに損傷が生じた場合、その修繕工事が完了するまでの間、電力の供給が停止されることになります。
・周辺に波及事故が起きる
電力会社との責任分界点には、PAS(Pole Automatic Switch)やUGS(Underground Switch)といった開閉器が設置されています。通常、ケーブルの絶縁破壊が起きれば、これらの開閉器が動作して電力会社との接続を切り離します。しかし、これらの開閉器が故障していると、切り離しに失敗し、電力会社の配電線で停電事故が波及してしまう「波及事故」となる可能性があります。
・火災事故が起きる
高圧ケーブルを更新しないと、絶縁劣化や過熱、機械的損傷、湿気や腐食によって火災事故が発生するリスクが高まります。実例として、東京のビルや工場での火災があり、どちらも高圧ケーブルの劣化が原因でした。対策として、定期的な点検とメンテナンス、劣化予測技術の導入、防水や防腐処理が重要です。これにより、電力供給の安定性と安全性を維持し、火災事故を防ぐことができます。
具体的には、ケーブルの絶縁が損傷すると、事故発生箇所に電流が流入し、過熱状態になります。通常は発火に至る前に、PASやUGSが作動し、電流が遮断されます。しかし、電流遮断の前に発火してしまった場合には、火災へと発展する可能性があります。
・水トリー現象が起きる
一般的に、自家用電気設備では、高圧の電力を構内に引き込むために、架橋ポリエチレンケーブル(CVケーブルなど)が使用されています。この高圧ケーブルの絶縁に使われる架橋ポリエチレンには、水と電界の関係で小さな亀裂が発生し、樹枝状に成長する現象が「水トリー」と呼ばれています。水トリーには、内部の導体から発生する内導水トリーと、外部の半導電層から発生する外導水トリー、そして製造過程で生じる微小のすき間や混入異物から発生するボウタイ状水トリーなどがあります。特に内導水トリーと外導水トリーは、ケーブルの絶縁性能を大きく低下させ、絶縁破壊事故の原因となっています。この現象は、主に昭和51年以前に製造されたケーブルに多く見られる傾向にあります。
■高圧引込ケーブルの更新ならプロにお任せ
高圧ケーブルの更新や交換は、専門知識と技術が必要です。正しい診断や作業手順を踏まえて行わないと、安全性や信頼性に影響を及ぼす可能性があります。そのため、高圧ケーブルの更新作業は専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者は適切な知識や経験を持ち、安全かつ効率的に作業を行ってくれるでしょう。
平沼電設は、各種電気配線工事に対応しています。電気を使うために必要な配線の施工全般で承ります。工場やビルなど大規模な現場にも対応できますので、お気軽にご相談ください。30年近い経験を生かした高品質な配線工事でお客様のお悩みごとをトータルで解決いたします。
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