皆さん、こんにちは。茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。
キュービクルは、工場やオフィス・店舗などにかかる電気代を節約できる設備です。キュービクルの設置を検討するにあたって、工事費用や設置時の注意点などを知っておきたい担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、キュービクルの工事費用や設置時の注意点などを解説します。
■キュービクル（高圧受電設備）とは
キュービクルは、正式名称を「キュービクル式高圧受電設備」といいます。キュービックの形をした金属製の箱に、変圧器・開閉器類・計器類・保護装置などを収めた設備です。商業施設やオフィスビルなどの屋上や駐車場などに、キュービクルが置かれているのを目にしたことがある方も多いでしょう。
なぜ大型施設にキュービクルを設置するのか、キュービクルの役割をさらに詳しくご紹介します。
・キュービクルの役割
キュービクルは、発電所から送られる6,600ボルトの高圧電力を、100ボルトもしくは200ボルトの低圧電力に変圧する設備です。高圧電力は、低圧電力に比べ電気料金単価が安いため、キュービクルは電気を多く消費する施設で必要となる設備のひとつです。
キュービクルが普及する前は、変電室や電気室などで変圧していました。これらの設備の設置には費用と時間がかかることから、安全性を維持し変圧できるキュービクルの設置が広まったのです。
また、他の建物や設備のトラブルを防ぐため、建物内の電気設備で漏電やショートが発生した際に、キュービクルは電気の供給を迅速に遮断する役割もあります。電気の安全供給には、キュービクルの中にある機器全てが問題なく機能することが必要であり、キュービクルが金属製の箱型になっているのはそのためです。
・高圧電力（高圧受電）と低圧電力（低圧受電）の違いは？
高圧電力と低圧電力の違いは、高圧の電力をそのまま受電するか、変圧された電気を受電するかという点にあります。
高圧電力は、契約電力が50キロワット以上であり、多くの電力を必要とする事業所が電力会社と高圧受電契約を結び、キュービクルで受電したのち100ボルトと200ボルトに変圧して使用します。一方、低圧電力は50キロワット未満の契約電力で、電力会社の柱上変圧器で200ボルトに変圧した電気を受電し使用する契約です。
高圧電力の電気料金単価が安いのは、柱上変圧器を通さず直接電気を利用するためです。柱上変圧器は電力会社が管理していることから、変圧器を通さないとメンテナンス費用がかからなくなります。
■キュービクルの導入にかかる工事費用
キュービクルの導入を検討するとき、どのくらい費用がかかるのかが気になるでしょう。キュービクルを使用するには、本体費用と工事費用に加えて、メンテナンス費用も必要です。ここからは、各費用の詳細について解説します。
・キュービクルの工事費用
キュービクルの工事費用は、設置する場所の環境や条件などによって大きく異なります。このため、本体の大きさが同じであっても、工事費用が同じとは限りません。
キュービクルの設置には基礎工事が必要となるのに加え、環境に合わせた付加工事が必要となる場合もあります。工事費用を細かく知るには、必要条件を加味した見積もりの作成が必要です。本体の購入と設置工事を同じ業者に依頼した方が、設置全体にかかる費用を抑えられる可能性があります。
・キュービクル本体の費用
キュービクルの本体価格は、キュービクルの発電規模によって異なります。100kw（コンビニ、小規模店舗）の場合は200万円前後、200kw（中規模店舗、小規模工場）であれば350〜450万円前後が目安です。300kw（中規模工場、スーパーマーケット）になると550〜650万円、500kw（大規模テナントビル、製造工場、病院）では1,000〜1,200万円が目安です。
・メンテナンス費用
キュービクルを設置してからは、メンテナンス費用がかかることも覚えておく必要があります。キュービクルは自家用電気工作物に分類され、毎月（もしくは隔月）の保安点検に加え、年1回（もしくは3年に1回）の年次点検が義務付けられています。電気事業法により、点検は電気主任技術者が実施すると定められていますが、社内に電気主任技術者がいない場合は点検を外部委託しなくてはなりません。
また、キュービクルを使い始めて10年ほど経過すると、徐々に部品の劣化が見られ、修理や交換が必要な時期を迎えます。修理・交換の内容や範囲によって大きく異なるものの、作業には数十万円から数百万円かかります。この作業にかかる費用も、キュービクルを安全に使うための必要経費です。
■キュービクル設置の工事には注意が必要
キュービクルを安全に使うには、設置する場所や環境条件など、設置工事の段階で注意すべき点がいくつかあります。各注意点の詳細について見ていきましょう。
・設置場所
キュービクルの設置場所には、地面の基礎工事が必要です。地面の地盤が弱いと、基礎工事だけで数百万円かかる場合もあります。
また、火災予防条例により、キュービクルの設置場所は建物から3m以上離すという決まりがあります。点検のための十分な空間を確保する必要もあるため、基準をしっかりと満たす設置場所を決めましょう。
・環境を考慮する
キュービクルの導入には、設置場所の環境を考慮することも必要です。寒冷地の設置にはヒーターや雪除けを使用したり、海沿いの地域では耐塩塗装や覆いなどの塩害対策が必須であったりと、地域によって必要な対策が異なります。
雪除けの設置にはそれほど費用がかかりませんが、ヒーターは設置費用に加え維持費用もかかることを考慮しなくてはなりません。
・将来拡張する可能性を含めて設計する
キュービクルの導入後に電力の使用量が増えると、設備の拡張が必要となるケースがあります。拡張するにはコストと時間がかかるため、拡張する可能性をふまえて設計しておくと安心です。
具体的には、追加キュービクルを設置するスペースの確保、増設用回路の設計、機器増設用の開閉器などを考慮することが重要です。
キュービクルは、電気室や変電室を設置するのと比べ狭い場所でも設置でき、安全性も高い受変電設備です。電気代を抑えられることで、幅広い施設で使われていますが、設置には高い専門性が求められます。キュービクルの設置を検討する段階で、実績のある業者とこまめに相談しながら進めていきましょう。
平沼電設では、創業以来30年近くにわたりワンストップサービスをご提供しており、電気工事における全ての工程を一貫して対応可能です。これまでに、工場・ビル・病院・ホテルなどさまざまな大規模施設においてキュービクル工事を多数手掛けており、現場の設置条件に合った工事を施工いたします。
お客様のニーズや使用状況に合わせて、最適な蓄電池の種類や容量などをご提案いたしますので、不安に思われる点がございましたらお気軽にご相談ください。これまでの経験で培ったスキルを活かし、お客様にご満足いただける電気工事をお約束いたします。キュービクルについて迷われている担当者様は、まずは平沼電設までご連絡ください。
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