皆さん、こんにちは。
茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。
「機械の電源を入れたら、なぜか漏電ブレーカーが落ちてしまう……」
「作業中にブレーカーが落ちることもあって困っている」
皆さんの工場では、このような事態がたびたび起きていないでしょうか?これは、機器や配線から漏電が発生しているサインです。
そのまま放置すると、火災などの大規模なトラブルにつながるおそれもあるため、早急に対応する必要があります。ここでは、工場の漏電の原因や発生箇所の特定方法、漏電が招くトラブル、そして正しい対処法について解説します。
■工場の漏電はどこで発生する? 原因は何?
漏電とは、電気が本来の経路を外れて流れてしまう現象です。電気機器や電気配線といったものは、電気を通さない絶縁物で覆われており、通常は電気が外部に漏れてしまうことはありません。電気が流れている設備に素手で触れても感電しないのはこのためです。
しかし、この絶縁状態が何らかの理由で弱まったり破られたりすると、そこから電気が漏れ出てしまいます。結果として、電気が周囲にあるものにまで通電し、とても遠くにまで届いたり事故につながったりするわけです。漏電の主な原因としては、以下の2つが挙げられます。
・電線の被覆の経年劣化や破損
漏電の原因として最も多いのは、工場の設備・機器の電線や電源ケーブルなどの劣化・破損です。電気機器は、内部の電線の1本1本まで絶縁物で被覆されており、電気が外に漏れ出るのを防いでいます。しかし、被覆は必ず経年劣化するため、古い機械は絶縁性能が低下してしまい、漏電につながることがあります。
また、電源ケーブルのように外に出ているものは、うっかり足を引っ掛けたり台車で踏んだり物を落としたりして、物理的な衝撃で破損させてしまうこともあるでしょう。見た目は何ともなさそうでも、実際はとても小さな裂け目が入っており、そこから漏電しているというケースは珍しくありません。
・電気設備の水濡れ
経年劣化や破損と並んで注意が必要なのが、電気設備の水濡れです。純水のような例外を除いて、水は電気を通しやすい性質があります。そのため、工場の設備や配線が雨で濡れたり、設備から出る水や清掃に使われる水などがかかったりすると、絶縁抵抗が低下して漏電が発生する可能性があります。
また、水分は絶縁性能を低下させるだけでなく、絶縁物の劣化を加速させる点にも注意が必要です。湿度の高い場所に置かれている設備や、ポンプのように水を浴びやすい機械は、乾燥している設備に比べて経年劣化が早い傾向があります。
その他、タコ足配線によるコンセントの容量を超えた電気の使用や、潮風による塩害、施工不良なども漏電の原因です。漏電の定義や原因については、以下の記事もぜひご覧ください。
https://hiranuma-densetsu.com/blog/blog/129542
■工場の漏電箇所の特定方法
工場で漏電が発生した場合は、何よりも先に漏電箇所を特定する必要があります。一体どこで、何が原因で漏電が起きているのかがわからなければ、適切な修理作業を行えないからです。
漏電箇所の特定作業では、まず漏電ブレーカー(漏電遮断器)が落ちた時の状況や電気図面などから、漏電している可能性が高い箇所を絞ります。その上で、コネクターや端子台を使って怪しい配線を切り離し、絶縁抵抗が低下している箇所がないかどうかを1つ1つ調べるのが基本です。絶縁抵抗のチェックには「テスター」という機器が使われます。
そして、漏電している配線がわかったら、次はその配線上のどこで絶縁抵抗が低下しているのかをより詳しく調べます。明らかに絶縁抵抗が落ちているなら、テスターだけで測定することが可能です。テスターではわからない場合はより大きな電圧をかけることができる「メガテスター(メガー)」を使います。
このように、漏電箇所の特定作業は非常に地道で大変なものです。配線の構造や漏電ブレーカーが落ちた状況などから、疑わしい箇所を狭い範囲に限定できればいいのですが、広い範囲を調べなければならないことも珍しくありません。漏電箇所の特定が誤っていると、その後の作業がすべて無意味になってしまうため、慎重に行う必要があります。
■工場の漏電発生で起こりうるトラブル
工場で漏電が発生しても、すぐに何らかの被害が生じるとは限りません。しばらく気づかないままでいるケースもよくありますし、漏電の兆候が見られても「とりあえず大丈夫そうだから」と放置する方もいるでしょう。
しかし、工場の漏電を放置すると、取り返しのつかない事態を招くおそれがあります。特に注意が必要なトラブルは以下の3つです。
・漏電ブレーカーが落ち、操業に使用をきたす
漏電が発生すると、それを検知して漏電ブレーカーが落ち、工場が停電します。停電して初めて漏電に気づくケースも多いでしょう。
工場が停電すれば、当然ながら操業はできません。漏電ブレーカーを上げても、漏電の原因を解消しなければ、すぐにまたブレーカーが落ちてしまいます。常に停電しているわけではなくても、頻繁にブレーカーが落ちれば業務に支障をきたします。結果として納期遅れや製品の品質低下などが生じ、業績に悪影響を及ぼし、取引先からの信頼も失うでしょう。
・感電事故が発生する
漏電している箇所に人が触れると、感電してしまう可能性があります。感電といっても、静電気でピリッと痺れる程度のものではありません。0.05A(アンペア)程度の電流でも人間を感電死させるには十分ですが、ノートパソコンでさえ0.5~1.0A程度の電流が流れています。気づかずに漏電個所に触れれば死亡するおそれがありますから、早急な対策が必要です。
・漏電火災を招く
漏電が招くトラブルの中でも、特に警戒すべきなのが漏電火災です。漏電によって本来想定されていない箇所に電流が流れると、その部分が発熱して高温になります。その結果、周囲のホコリや油、紙といった可燃物が発火してしまうのです。また、漏電箇所から火花が飛んで引火することもあります。
もし漏電火災が発生すれば、最悪の場合工場が全焼し、従業員が死傷するかもしれません。周囲の建物にまで被害が及べば、そちらの損害賠償責任も生じます。このような事態を防ぐためにも、工場の漏電対策は必須なのです。
■工場で漏電が発生したら、すぐに専門業者に修理を依頼しましょう!
ここまで見てきたように、漏電は電気が流れている場所ならどこでも発生する可能性があります。火災などの最悪の事態に発展するのを防ぐためには、漏電の予防策を取っておくこと、そして漏電の発生にいち早く気づいて対応することが大切です。
漏電の予防法としては、まずアース(接地)を確実につないでおくこと、機械や電源ケーブルが劣化していないか十分に管理すること、濡れた手で機械に触ったり湿気の多い場所に機械を置いたりしないことなどが挙げられます。ホコリが溜まっていると発火につながるので掃除もしっかり行い、コンセントの容量を超えてしまうようなタコ足配線も避けましょう。
その上で、どのような状況であれ漏電ブレーカーが落ちたら、漏電の発生を疑います。ただし、漏電ブレーカーが落ちていないからといって、漏電が発生していないとは限りません。電気代(電気使用量)が異常に増えていたり、建物の金属部分に触れた時にビリッと痺れたり、建物内が焦げ臭かったりといったトラブルも漏電のサインです。
そして、漏電が発生している可能性があるなら、すぐに専門業者に点検と修理を依頼しましょう。原則として、漏電を自分で何とかしようと思ってはいけません。専門的な知識や技術がない人が迂闊に手を出すと、感電・火災・停電などのリスクが高まるだけだからです。また、電気工事を行うためには電気工事士が必須で、無資格者が工事を行うと罰せられるおそれがあります。
そもそも前述した通り、漏電箇所の特定作業はとても難易度が高く、専門知識がなければ大まかな場所しかわかりません。漏電箇所や原因を正確に特定し、適切な修理作業を行うためにも、漏電対応は専門業者に任せるのが原則です。漏電発生時は、十分な施工実績のある業者に相談し、できれば定期的な電気系統の点検・メンテナンスも依頼しましょう。
平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内で電気工事を手掛けています。建物の漏電対策や緊急時の修理はもちろん、工場やビルの引き込み工事から配線工事、キュービクルの設置、各種点検・メンテナンスまで何でも対応可能です。
長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高いメンテナンス、場合によっては修繕をお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。