皆さん、こんにちは。
茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。
大きな電気設備が設置されている工場や事業所では、電気関係のトラブルがしばしば発生します。中でも特に注意が必要なトラブルが「漏電」です。漏電は火災や感電といった大きな事故につながるため、万が一に備えて対策を打っておく必要があります。ここでは、漏電が発生する原因や危険性、漏電を予防する方法について解説します。
■漏電とはどんな現象?
漏電とは、文字通り「電気が漏れ出てしまう」ことを指します。一般的に、室内の配線や電気機器は、電気が外に漏れないように絶縁体(電気を通さない物質)で保護されています。絶縁がしっかりと施されていれば、電気が通っている機械でも安全に使うことができるのです。
しかし、絶縁材料が何らかの原因で傷ついたり、その効果が損なわれたりすると、電気が正しい経路から漏れ出てしまいます。この状態が漏電です。
また、漏電としばしば混同される電気事故には「ショート(短絡)」があります。ショートとは、電源のプラス極とマイナス極が低抵抗で接続される状態のことです。ショートが発生すると、大量の電気が流れて発熱・発火する可能性があり、大変危険です。
ショートの原因はさまざまですが、主にコードの劣化や損傷によって内部の導線が接触したり、金属製品が回路に触れたりすることで発生します。また、電源プラグとコンセントの間にホコリが溜まって湿気を帯び、刃と刃の間に微弱な電気が流れてプラグ表面が炭化し、導電路が形成されてしまう「トラッキング現象」もショートの一種です。
■漏電の危険性
漏電が発生しても、即座にその電気機器が使用不能になるとは限りません。しかし、漏電は非常に危険な事故につながるリスクがあります。特に注意が必要なのは「感電」と「漏電火災」です。それぞれの危険性について見ていきましょう。
・感電
漏電している箇所や、漏電した電気が流れている箇所に触れると、体に電気が流れて感電してしまうことがあります。軽度の関連であれば、少しピリッとする程度で済みますが、重度の感電では大火傷や心肺停止、最悪死亡する可能性もあり非常に危険です。わずか10mA(ミリアンペア)程度の電流でも筋肉が痙攣・収縮し、漏電箇所から離れられなくなり感電し続けることもあります。
・漏電火災
漏電箇所は高温になるため、近くに燃えやすいホコリや木くず、紙などがあると、それらが発火して火災につながる可能性があります。また、漏電した箇所がスパークして火花が飛び、周囲の燃えやすいものに引火するケースもあるため注意が必要です。壁の中など、外から見えにくい場所で漏電火災が発生することも多く、時として大きな火災を引き起こします。
■漏電が発生する原因
漏電が発生する原因は実にさまざまで、ちょっとした油断や不測の事態から漏電につながることもあります。主な漏電の原因を確認しておきましょう。
・絶縁部分の経年劣化
前述した通り、電気機器や配線は絶縁材料によって保護されています。しかし、ケーブルや電気機器が古くなると、絶縁材料が剥がれてしまい、漏電が発生することがあります。長期間使い続けている電気機器はもちろん、古い機械を久しぶりに稼働させる場合などにも注意が必要です。
・コードやプラグの損傷
電気製品のコードやプラグは、コンセントから電気を供給するために重要な役割を果たしています。しかし、コードを引っ張ったり急な角度で曲げたり、まとめたまま使用したりすると、コードやプラグが破損したり熱で溶けたりすることがあります。こうなると内部の導線が露出し、そこから漏電する可能性があります。
・水濡れ、雨漏り
純水を除く水は電気を通しやすい性質があるため、濡れた手で電気機器に触ったり、濡れた状態の電気機器を稼働させたりすると、電気が水を通って漏電してしまうリスクがあります。湿気が多い場所での電気機器の使用にも注意が必要です。
また、建物が劣化して雨漏りが発生すると、電気配線や電気機器が濡れて漏電につながることがあります。壁の中や天井、床下など、建物内はあらゆる場所に電気配線が張り巡らされているため、どこでも漏電が発生する可能性があるのが怖いところです。
・タコ足配線
電源タップは、同じコンセントに多くのプラグを挿すことができて便利です。しかし、接続する電気機器の増加や配線の複雑化によって、コードが傷つきやすくなり漏電する可能性が高まります。
また、1つのコンセントで同時に使用できる電力には制限があります。タコ足配線を行うと、その制限を超えて電力を使ってしまい、コードの加熱による漏電火災に発展する可能性があり危険です。
・小動物被害
建物の隙間から侵入するネズミなどの小動物が、興味本位や巣作りのために電気配線をかじることがあります。動物が電気配線を傷つけると、導線が露出してしまいます。これも漏電の原因です。家庭内でペットを飼育している場合も、同様のトラブルが生じる可能性があります。
・塩害
塩害は、水による漏電と大きく関係しています。なぜなら、不純物を含まない純水であれば電気を通しませんが、塩分を含むと電気を通しやすくなるからです。建物や電気設備が塩害の影響を受けると、電線や電化製品に付着した塩分が漏電を引き起こす可能性があります。海の近くにある施設では、特に注意が必要です。
・施工不良、故障
電気配線や電気機器の工事において施工不良があると、当然ながら漏電のリスクが生じます。技術力の低い業者に依頼してしまった結果、不十分な絶縁や配線ミスなどが生じるケースは決して珍しくありません。また、経年劣化やメンテナンス不足により、電気設備に不具合や故障が生じた場合も漏電につながります。
■工場やオフィスで取るべき漏電対策
漏電の被害を防ぐためには、まず漏電が発生しないよう予防策を取るとともに、漏電の発生に備えた安全装置も設置しておく必要があります。漏電の主な予防策をご紹介します。
・漏電ブレーカーの設置
漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、漏電が起きた時に作動するブレーカーです。設置しておくと、漏電の発生を検知して電気を遮断し、被害が拡大するのを防いでくれます。
一般的な漏電ブレーカーは、30mA以上の漏電で作動するようになっています。なぜなら、これ以上の電流が人体を流れると、生命に危険をもたらす可能性があるからです。漏電ブレーカーに必要な性能は施設の規模や用途によって異なるため、電気回路の電圧や電流容量を参考に最適な製品を選びましょう。
・アースの設置
アース(接地)とは、地中のアース極と電気機器をアース線で結ぶことです。アースを設置しておくと、漏電が発生した時に電流を大地に逃がし、感電や火災のリスクを軽減することができます。ほとんどの電気機器は、アースを取り付けることが法令で定められているので、必ず工事を行いましょう。
また、漏電ブレーカーを正常に作動させるためにも、アース線を設置しておく必要があります。漏電ブレーカーは、電気機器に送った電流と返ってきた電流の差で漏電を検知するため、アース線で電流の逃げ場を作っておかないと正確な検知ができないことがあるからです。
・電気設備の定期的な点検、清掃
電気設備が劣化・破損している箇所を早期に発見し修理・交換すると、漏電の発生を防ぐことができます。そのためにも、電気設備の定期的な点検や清掃は確実に行いましょう。他にも、電気代が異様に高い、壁などを触るとビリッとする、計器類の数値に異常があるといったトラブルが生じている時も、漏電を疑って即座に点検することが大切です
・その他
濡れた手で電気機器に触れない、コードを複雑に折り曲げたり束ねた状態で使ったりしない、タコ足配線にしないといった基本的な対策も重要です。点検時はもちろん日常の業務中でも、こういった問題に気づいたらすぐに是正するようにしましょう。
漏電は、電気が通っている場所ならどこでも発生する可能性があります。発生していても目に見えず気づけないことも多いため、定期的に電気設備の点検や清掃を行い、大規模な火災や感電事故につながるのを防ぐことが大切です。そして、漏電の発生に気づいた時は、すぐに専門業者に対応を依頼しましょう。
平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内で電気工事を手掛けています。建物の漏電対策や緊急時の修理はもちろん、工場やビルの引き込み工事から配線工事、キュービクルの設置、各種点検・メンテナンスまで何でも対応可能です。
長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高いメンテナンス、場合によっては修繕をお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。