PASやUGSにはSOG制御装置が必要!役割と点検のポイントを紹介

皆さん、こんにちは。

茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。


前回までの記事では、UGS(地中線用負荷開閉器)やPAS(気中負荷開閉器)の役割や重要性をご紹介しました。どちらも波及事故を防ぐ上で欠かせない装置ですが、実はUGSやPASだけを設置すればいいわけではありません。これらとセットで使う必要があるのが「SOG制御装置」です。今回は、SOG制御装置の役割や仕組みについて解説します。




■SOG制御装置とは?

SOG制御装置は、UGSやPASに付属する「保護継電器装置」です。SOGは「Storage Over Current Ground」の略で、SOが短絡・過電流、Gが地絡を表しています。


SOG制御装置の役割は、発電所から電力を受け取っている施設(需要家側)で短絡や地絡が発生した時、UGSやPASを開放(遮断)させて波及事故を防ぐことです。前回までの記事をお読みになった方なら「それってUGSやPASの役割じゃなかったの?」と思われるでしょう。


しかし実のところ、UGSやPASは負荷電流(普段から電気機器に流れている電流)を遮断することはできるのですが、短絡電流のような大きな電流は遮断できません。UGSやPASは、あくまでも「開閉器」に過ぎないからです。


そのため、波及事故を防ぐには、短絡や地絡の発生を感知してUGSやPASに伝える「SOG動作機能」が必要になります。それを担っているのがSOG制御装置であり、UGSやPASとは必ずセットで設置しなければならないのです。




■SOG制御装置の仕組み



波及事故を防ぐためのSOG動作は、「SO動作」と「G動作」の2つに分けられます。それぞれどのような仕組みなのかを確認しておきましょう。


・SO動作=過電流蓄勢動作(Storage Over Current)

SO動作は、施設での短絡・過電流事故時に作動する保護機能です。UGSやPASに大電流が流れた際、開閉器をロックするとともに電力会社側の遮断機で電流を遮断、無充電にしたところで開閉器を切ります。これにより事故系統を安全に切り離し、波及事故を防いだ上で送電を再開できるようにするのです。



・G動作=地絡動作(Ground)

G動作は施設での地絡発生時に作動し、開閉器を開放させる保護機能です。電力会社側にも、地絡の発生を検知する「地絡継電器」がありますが、これだけだと対応に時間がかかり波及事故が広まる可能性があります。G動作は地絡継電器よりも早く動作し、開閉器を切って被害の拡大を防いでくれるのです。




■SOG制御装置は月次点検も重要です!



SOG制御装置は、一度設置すれば永久に使えるわけではありません。精密機械である以上、UGSやPASと同様に経年劣化は避けられず、故障する場合もあります。いざという時にしっかりと機能させるためにも、月次点検を欠かさずに行うことが重要です。


月次点検時のチェック項目としては、まず電源ランプが点灯しているか、自己診断表示ランプやV0・I0ランプが点灯していないかといった点が挙げられます。これらは一目でわかるポイントであり、特に「電源が入っていなかった」などというトラブルは絶対に防がなければなりません。


また、装置の保護や正常な作動のためにも、SOG制御装置の扉はしっかり閉めておく必要があります。ブッシング部の亀裂・損傷・汚損や、外箱のサビ・破損・汚損、そしてSOG制御装置内部の破損・汚損・水滴・虫の侵入なども重要なチェックポイントです。


たとえ小さな異常でも、それが原因となってSOG制御装置の動作に支障をきたす可能性は十分あります。波及事故を防ぐためにも、実績豊富な専門業者に月次点検を依頼し、必要に応じて修理や交換も行いましょう。



平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内における工場やビルの受変電設備の設置から配線工事やメンテナンス、その他電気工事を請け負っております。長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高いメンテナンス、場合によっては修繕をお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。