変圧器の役割とは?重要性と正しい点検方法を紹介

皆さん、こんにちは。

茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。


発電所で生み出された電気は、さまざまな設備を通って各家庭や事業所に運ばれます。中でも特に重要な、電圧の調整を担っている機器が変圧器(トランス)です。電気を安全かつ快適に使えるようにするためには、変圧器の機能維持が不可欠ですが、どのように点検すればいいのでしょうか。ここでは、変圧器の役割や正しい点検方法をご紹介します。




■変圧器の役割って何?


変圧器とは、電圧を変えるために使われる機器です。発電所で作られた電気は電線を通って送られてきますが、この段階ではとても電圧が高いため、そのままでは一般家庭や事業所などで使うことができません。


そこで、変圧器を使って電圧を下げ、適切な電圧にした上で最終的な利用場所に供給しているのです。一般家庭向けは100V~200Vの低圧、多くの電気を使う工場やビルでは6600V以上の高圧にして供給します。変圧器のある場所は、身の回りだと電柱の上部に設置されている他、工場やビルではキュービクル(高圧受電設備)の中に組み込まれています。


こう聞くと、「だったら最初から電圧を下げて送電してくればいいのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。そうしない理由は、送電中の電気のロス(損失)を抑える必要があるからです。送電線には電気抵抗があるため、電気が流れると一部が熱に変わって空気中に逃げてしまいます。何も考えずに送電すると、せっかく生産した電気が無駄になりかねません。


しかし、送電損失は電圧を高くすると(=電流を小さくすると)少なくなる性質があります。そのため、最初は電圧を高めて送電し、途中の変電所や電柱の変圧器などで徐々に降圧することで、電気のロスを最小限にとどめているのです。


もちろん、こうした変圧を正確に行うためには、変圧器が正常に機能していなければなりません。一般的に、変圧器の寿命は20年~30年程度で、長期間使用していると経年劣化により不具合が発生する場合があります。適切なメンテナンスを行い、常に正常稼働させることが大切です。




■変圧器の日常的に必要な点検



変圧器のメンテナンスには、普段から行う「日常点検」と、定期的に行う「定期点検」の2種類があります。このうち日常点検は、見た目・温度・音・臭いなど五感によるチェックが中心で、比較的簡単に行えることが特徴です。


チェック項目としては、まず電圧計や周波数計などの計器類を見て、異常な値になっていないかどうかを確認します。数値がおかしい時は、大抵計器類の故障が原因です。端子部の変色やサビ、締め付けの緩み、異物の付着などがないかどうかも確認しましょう。


また、変圧器の温度が異常に高くなっている場合は、規格値以上の負荷がかかっている可能性があります。ダイヤル温度計や油面温度計を確認してみてください。一般的には、危険な数値になるとアラームが鳴るように設定されています。


そして、異常に大きな運転音(ブーンという音)は周波数の低下や過剰な電圧を、普段とは違う臭いは過負荷による温度上昇を知らせるサインです。いずれの不具合も放っておくと大きなトラブルになりかねないので、発見したらすぐに専門業者に相談してください。




■変圧器の定期的に必要な点検



定期点検では、変圧器を停止させて無電圧の状態にし、日常点検では確認できない部分まで細かくチェックします。変圧器が「油入式」なのか「乾式」なのかによって点検項目が異なるので、それぞれのポイントを知っておきましょう。



・油入式の点検項目

油入式は、変圧器を油に浸して冷却する方式です。点検では油面計や絶縁油、油劣化防止装置などを確認します。絶縁油が変色していると、冷却効果が低下している可能性があるため、採取して分析する必要があります。



・乾式の点検項目

乾式は、変圧器の冷却に油を使用しない方式です。点検時は鉄心や巻線支持物、締付部といった外観を中心にチェックします。特に外観にクラック(ひび割れ)がある場合は、最悪変圧器の交換が必要になるためご注意ください。



・共通の点検項目

油入式と乾式に共通するチェック項目は、温度計や端子部、巻線、タップ切換装置などの確認です。汚損や劣化を目視で確認する他、絶縁抵抗値を測定して、電気が本来とは違う場所に流れていないかどうかもチェックします。


このように、変圧器の点検内容はなかなか複雑です。常に安心して電気を使えるようにするためにも、経験豊富な専門業者にメンテナンスを依頼し、必要に応じて変圧器の修理や交換を行いましょう。



平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内における工場やビルの受変電設備の設置から配線工事や点検・メンテナンス、その他電気工事を請け負っております。長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高いメンテナンス、場合によっては修繕をお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。