工場には「UGS」の設置がおすすめです!役割とメリットを解説

皆さん、こんにちは。

茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。


大量の電力を消費する商業施設や工場、オフィスビルなどでは、高圧電力を受電するのが一般的です。高圧電力は電気代が安いのがメリットですが、事故発生時に被害が拡大する可能性もある点に注意しなければなりません。そこで、ぜひ設置しておきたいのが「UGS(Underground Gas Switch、地中線用負荷開閉器)」です。ここでは、UGSの特徴や注意点について解説します。




■UGS(地中線用負荷開閉器)とは?


UGS(地中線用負荷開閉器)とは、高圧受電をしている施設で事故を防止するための設備です。高圧受変電設備(キュービクル)では、破れた電気配線同士が接触して大電流が流れる「短絡(ショート)」や、電気が大地に流れてしまう「地絡」といった事故がしばしば発生します。これらは停電や感電、火災などにつながることもあるため、影響を最小限に抑えなければなりません。


そこで活躍するのがUGSです。UGSは高圧キャビネット(ピラーボックス)の中に設置されており、短絡や地絡などの事故を感知して作動。電気の流れを遮断することで、事故の拡大を防いでくれます。どんな施設でも事故が発生する可能性はありますから、高圧受電するならUGSを設置しておくのが望ましいでしょう。


なお、UGSはその名の通り、地中に配線して電気を引く「地中引込方式」を採用している施設向けの設備です。電柱を使って電気を引く「架空引込方式」を採用している施設では使用できません。




■UGSは波及事故防止に活躍!

UGSはいろいろな事故を防止できますが、特に重要なのは「波及事故」の防止です。波及事故とは、高圧受電設備で事故が発生したことにより、周辺の施設まで停電させてしまうことをいいます。波及事故が起きるのは、配線用変電所が複数の高圧電力利用施設とつながっており、1ヶ所で事故が起きただけでも電力会社の遮断装置が作動してしまうからです。


波及事故は広範囲に及びやすく、さまざまな被害をもたらします。たとえば、工場が波及事故で停電すれば操業不能となり、製品を作れなくなってしまうでしょう。信号機が停止すれば交通に混乱をきたし、事故にもつながります。病院が停電すれば、患者の命にも関わりかねません。


こうなると、事故の発生元は社会的責任を問われ、巨額の賠償金を支払わなければならないおそれもあります。そして波及事故以前に、自社の業務にも問題が生じ、大きな損失を出したり顧客の信頼を損ねたりするかもしれません。


その点、UGSを設置しておけば波及事故を防げるため、受変電設備の事故の影響を最小限に抑えられるのです。今のところ、UGSの設置は法律などで義務付けられているわけではありませんが、リスクを考えるとできる限り設置しておくべきでしょう。




■UGSを利用する際は耐用年数に注意



UGSは、一度設置すれば永久に使えるわけではありません。UGS自体が精密機械なので、当然ながら耐用年数(寿命)があります。耐用年数を過ぎて経年劣化したUGSは、事故発生時に作動しなくなる可能性があるので注意が必要です。


UGSの耐用年数は、一般的には15年~20年程度です。そのため、設置から15年経過した時点で交換を検討した方がいいでしょう。あらかじめ交換スケジュールを組んでおくと、余裕を持って交換できます。


また、屋外に設置した高圧ケーブルの耐用年数も10年~20年程度なので、こちらの交換工事もあわせて検討するのがおすすめです。UGSを正しく活用して、万が一の事故に備えましょう。



平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内における工場やビルの受変電設備の設置から配線工事やメンテナンス、その他電気工事を請け負っております。長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高いメンテナンス、場合によっては修繕をお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。