オフィスの移転や内装工事を行う際、重要なポイントとなるのが「電気容量」です。使用する電力に対して電気容量が不足していると、さまざまなトラブルにつながります。業務に支障をきたす可能性もあるため、電気容量の事前確認は必須です。ここでは、オフィスの電気容量不足によって発生するトラブルや、電気容量の確認方法をご紹介します。
■電気容量不足によって発生するトラブル
オフィスでは部屋の照明や空調、パソコン、プリンター、プロジェクター、サーバーなど、多くの電気機器を使用します。当然、消費する電力量も多く、それに見合った電気容量を備えていなければなりません。よく考えずにオフィスを移転すれば、移転先で電気容量が不足してしまい、トラブルを招く可能性があります。
まず、容量を超える電気の使用によって、ブレーカーが頻繁に落ちるようになるでしょう。これは非常に鬱陶しいものですが、だからといって電気機器の使用を制限すると、業務の効率が低下してしまいます。ブレーカーが落ちたために、作成中の書類やメールが消えたり、機器が故障して重要なデータが失われたりすることもあるでしょう。
「それなら工事をして電気容量を増やせばいいのでは?」と思うかもしれませんが、これも簡単に行くとは限りません。なぜなら、オフィスビルでは全体の電気容量が決まっているからです。電気容量に十分な空きがあるならブレーカーの交換程度で済みますが、空きがない場合は変圧器の交換などが必要になり、多大なコストがかかります。
もしコストを飲み込めるのだとしても、内装工事を終えてオフィスが稼働してから電気工事をやり直すのは、業務への影響などの関係で効率がよくありません。このような事態を防ぐためにも、移転前にしっかりと電気容量を確認しておかなければならないのです。
■オフィス内の電気容量の適切な確認方法
移転先の電気容量が十分かどうかを確認するためには、まずオフィス内の電力消費量を知る必要があります。電力消費量は、オフィスの電気機器の消費アンペア数を合計することで大まかに算出できます。主な電気機器の消費アンペア数は以下の通りです。
ノートパソコン:0.5A〜1A
デスクトップパソコン:1A〜4A
複合機:12A〜20A
電子レンジ:6A〜15A
電気ポット:8A〜12A
大型のエアコン:10A~12A
電気ヒーター:6A〜12A
一方、移転先の電気容量を知るための最も簡単な方法は、ブレーカーの確認です。ブレーカーには、基本的に電気容量が記載されているため、一目で確かめられます。その電気容量の値が、オフィスの消費アンペア数の合計値を(余裕を持って)上回っていればいいわけです。もし電気容量がわからない時は、仲介会社や物件のオーナーに問い合わせましょう。
■電気回路の設計も重要です!
オフィスで安定して電気を使うためには、電気容量に加えて「電気回路」の設計も重要です。オフィスのすべての機器が同じ電気回路に接続されていると、ブレーカーが落ちた時にすべての機械が一斉に停止してしまいます。そのような事態を防ぐため、オフィスビルでは「分電盤」を利用し、電気回路を複数に分割しているのです。
一般的には、分電盤1つ分の回路で20Aを賄っているため、それを超えないように電気回路を設計する必要があります。もちろん、ただ分割すればいいわけではなく、使いやすい位置にコンセントを配置するとともに、「機器AとBが一緒に落ちたら困る」といった事情にも配慮しなければなりません。場合によっては、新たに別の電源を導入する必要もあるでしょう。
使いやすい電気回路を構築できるかどうかは、工事を担当する業者の技術力にかかっています。加えて前述したように、移転先がオフィスビルの一角である場合は、入居後に電気工事を行うのは困難です。快適なオフィスを作り上げるためにも、物件選びの段階から経験豊富な電気工事業者に相談し、工事の必要性や最適の電気回路設計について確認しておきましょう。
平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内における工場やビルの受変電設備の設置から配線工事、メンテナンス、その他電気工事まで幅広く請け負っております。長年の実績と安全第一の施工管理で質の高いメンテナンスをお約束し、状況によっては設備の修繕も行います。電気設備に関して少しでも気になる点や困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。