皆様、新年明けましておめでとうございます。
茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。
本年も何卒、よろしくお願いいたします。
前回の記事(https://hiranuma-densetsu.com/blog/blog/136619)では、キュービクル式受変電設備の特徴をご紹介しました。キュービクルは数多くの建物に設置されていますが、普段はあまり気にさせることのない設備です。しかし、機械である以上は経年劣化していくため、しっかりと点検しなければなりません。ここではキュービクルの耐用年数や、保安管理の重要性について解説します。
■キュービクルの耐用年数はどのくらい?
キュービクルの耐用年数(実耐用年数)は、製品や使用環境にもよりますが、一般的には15年~30年程度です。ただ、前回の記事でもご紹介したように、キュービクルはさまざまな機器を組み合わせて作られています。当然、パーツごとに耐用年数は異なるため、実際には個別に点検・交換していく必要があります。
たとえば、屋外用ヒューズの耐用年数は10年、屋内用ヒューズ・コンデンサ・避雷器などは15年、変圧器・高圧遮断器・断路器・高圧負荷開閉器・計器用変成器などは20年程度です。定期点検によって各機器の状態を把握しておき、劣化したものから早めに交換すれば、キュービクル全体の寿命を延ばすことができます。丁寧にメンテナンスを行い、40年以上使用できたケースもあるほどです。
■キュービクルは定期的に点検しないと危険です!
キュービクルは高圧の電気を受け取り、電圧を下げて各機器に配電するという、重要な役割を果たしている設備です。もしキュービクルの点検を怠れば、ある日突然故障してしまい、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
最もよく起きるのは、パーツの劣化や雨水の浸入、小動物の侵入などによる停電事故です。工場やオフィスビルなどで停電が発生すれば、復旧するまでは仕事ができません。納期に間に合わなくなったり、顧客対応ができなくなったりすれば、業績に大きな損害をもたらすのは確実です。
また、キュービクルの事故はその施設内にとどまらず、配電線を通って近隣の施設や公共設備に波及することもあります。波及事故が広範囲に及べば、発生源として責任を問われ、多額の損害賠償金を支払うことになるでしょう。
さらに、機器の劣化や水濡れが原因で漏電が発生すれば、感電事故や火災を引き起こすこともあります。最悪の場合、尊い人命が失われることにもなりかねません。こういったトラブルを防ぐためにも、キュービクルは定期的に点検し、問題があれば修理しなければならないのです。
■キュービクルの保安管理は法律で義務づけられています
上記のような事故を防ぐため、キュービクルの保安点検は電気事業法でも義務付けられています(法定点検)。まず、キュービクルの設置者は自己の責任において保安規定を策定し、保安管理を担当する電気主任技術者を選任しなければなりません。電気主任技術者を雇用するのが難しい場合は、電気保安法人に外部委託することもできます。
また、法定点検には大きく分けて、毎月行う「月次点検」と年に1回行う「年次点検」があります。月次点検は、キュービクルに絶縁監視装置を取り付けて安全性を高めることで、隔月もしくは3ヶ月に1回の実施に抑えることも可能です。これ以外にも、状況によっては臨時点検を実施しなければなりません。
月次点検の主な点検項目は、キュービクルの外観目視点検や漏えい電流測定、受電盤・配電盤の電圧・負荷電流・ブレーカー温度測定、非常用発電機の手動での起動・停止確認などです。年次点検ではより厳しいチェックとして、停電状態での精密点検や絶縁抵抗測定、保護継電器の動作特性試験・連動動作試験、蓄電設備の電圧・比重・温度測定、非常用発電機の自動での起動・停止確認などを実施します。
これらの点検を正確に行うためには、専門的な知識と技術を備えた電気主任技術者の選任が必要不可欠です。平沼電設には、経験豊富な電気工事のプロフェッショナルが所属しておりますので、委託先をお探しの際はぜひご相談ください。キュービクルをしっかり点検して、安全に電気を使える環境を整えましょう!
平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内における工場やビルの受変電設備の設置から配線工事、メンテナンス、その他電気工事まで幅広く請け負っております。長年の実績と安全第一の施工管理で質の高いメンテナンスをお約束し、状況によっては設備の修繕も行います。電気設備に関して少しでも気になる点や困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。