工場の省エネに向けてLED導入を!メリットと業界の現状を紹介

皆さん、こんにちは。

茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。


以前の記事で、工場の電気代の削減についてご紹介し、その方法の1つとしてLED照明を取り上げました。工場の省エネのためには、照明のLED化はとても有効な手段です。とはいえ、「具体的にどの程度の節約になるの?」「投資に見合った見返りはあるの?」と心配になる方もいるでしょう。そこで今回は、業界の最新省エネ事情を確認しつつ、LED照明のメリットをより詳しくご紹介します。




■製造業のエネルギー利用状況とCO2削減に向けての取り組み



製造業が省エネに取り組まなければならない理由は、経費削減のためだけではありません。地球温暖化を緩和するための、CO2(二酸化炭素)の排出量削減という大きな目標があるのです。2020年に菅政権が「2050年カーボンニュートラル宣言」を打ち出すなど、近年では国を挙げて脱炭素・CO2削減に取り組んでいます。大量のエネルギーを消費する製造業は、当然ながら責任を果たすべきでしょう。


では、製造業は具体的にどのような対策が取れるのでしょうか? 以前のブログでもご紹介しましたが、一般的な製造業のエネルギー消費は「生産設備」が大半を占めています。また、消費エネルギーの電熱比を見ると、熱消費が80%以上と圧倒的で、電力消費は14%程度に過ぎません。


そのため単純に考えると、まず生産設備の省エネに取り組み、特に熱消費の削減に注力するのが有効ということになります。たとえば、より高効率のボイラーや排熱回収装置の導入、CO2排出量の少ない天然ガスへの燃料転換などです。しかし、これらは非常に高いコストがかかり、生産設備を一時停止させなければならない場合もあるため、簡単には実行できません。


つまり実際には、空調や照明といった「電力を使う一般設備」に手をつける方が、より実行しやすく効果を上げやすいといえます。この辺りは以前のブログで解説した通りです。中でも照明は、電力消費量が空調に次いで大きく、入れ替え工事も比較的行いやすいことから、真っ先に省エネ化を検討するといいでしょう。



■LED照明を導入するメリット



工場の照明の省エネを実現する場合、LED照明の導入や照明制御機器(タイマーや人感センサーなど)の導入といった方法があります。このうちLED照明の導入は、さまざまなメリットがある最もおすすめの方法です。LEDの主なメリットを見ていきましょう。



・電力消費量が少なくなる


LEDは従来の照明に比べて消費電力量が小さく、しかも寿命が長いため、省エネ効果は抜群です。もちろん電気代の削減にもつながり、初期投資を考慮しても最終的にはお得になります。具体的にどのくらいのコスト削減になるのかは後述します。



・交換作業の負担が少なくなる


工場は天井が高いため、照明の交換作業は危険を伴います。専門業者に依頼すれば危険性の問題は解決できますが、今度はコストがかかってしまいます。その点、寿命の長いLED照明を導入すれば、交換の間隔が大幅に伸びるため、コストやケガのリスクを大きく減らせるのです。



・照度の向上で安全性も向上


LED照明は従来の照明に比べて「演色性」が高いため、LEDの光を受けた物は自然光が当たった時に近い色に見えます。つまり、より明るくはっきり見えるわけです。照明をLEDに切り替えれば、手元や足元まで見えやすくなり、作業の効率アップや安全性向上が見込めるでしょう。




■LED照明にすると、どの程度コストを削減できる?



CO2の排出量削減は非常に重要ですが、やはり多くの工場にとっては、コストの削減の方が省エネの目標として設定しやすいと思われます。実際のところ、従来の照明からLED照明に切り替えると、どの程度のコストを削減できるのでしょうか。


これは元の照明機器の性能にもよりますが、最大で約89%もの省エネが可能だとされています。一例として電球型の照明に注目すると、白熱灯は消費電力54W・寿命1000時間・価格100円程度なのに対し、LED電球は消費電力7W・寿命4万時間・価格2500円程度となっています。


同じ使用時間で計算すると、LEDにかかる費用は白熱灯の62.5%です。4割近い削減になるわけですから、コストパフォーマンスはLEDの方が圧倒的に高いことがわかります。電気代の低減だけで十分に元が取れるでしょう。


ちなみに、これは東日本大震災の影響で省エネが注目されていた、2011年6月のデータです。10年経った現在では、LED照明の性能がさらにアップし価格は下がっているため、コストの削減効果はさらに大きくなっています。まだ従来の照明を使用している工場では、積極的にLED照明に切り替えるのが望ましいでしょう。


【参考】

https://eneken.ieej.or.jp/data/3891.pdf




■工場の省エネ化には照明のLED化がおすすめ!



諸々のポイントを考慮すると、工場の省エネ化は照明のLED化から始めるのが最もおすすめです。どのような工場でも取り組むことができ、それでいて高い効果を発揮します。今後、社会の脱炭素化が加速するにしたがって、工場に求められる責任も大きくなっていくでしょう。コスト削減だけでなく、環境保護と社会貢献のため、今から照明のLED化を進めてはいかがでしょうか。


平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内における工場の電気設備のメンテナンスを請け負っております。長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高い工事やメンテナンスをお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。