皆さん、こんにちは。
茨城県鉾田市を拠点に電気工事を手掛けております平沼電設です。
多くの工場やビルで使われている「キュービクル式受電設備」の特徴は、以前のブログ記事(https://hiranuma-densetsu.com/blog/blog/136619)において解説しました。ところで、高圧受電設備にはもう1つ「開放型」と呼ばれるタイプもあります。これはキュービクル式とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、2種類の高圧受電設備の特徴を比較・紹介します。
■高圧受電設備って何?
最初に、高圧受電設備(受変電設備)とは何なのかを再確認しておきましょう。高圧受電設備は、電力会社から供給される高圧電力を受電し、さらに施設内で使用する電圧まで降圧するための設備です。高圧電力は低圧電力に比べて単価が安いため、多くの電力を消費する工場やビルなどでは、一般的に高圧受電が採用されています。
そして高圧受電設備には、大きく分けて「開放型」と「閉鎖型(キュービクル)」という2つの方式があります。以下の項目では、それぞれの特徴を解説します。
■開放型の高圧受電設備の特徴
開放型はパイプや鋼材のフレームで基礎を作り、その内部に変圧器・遮断器・計器類・コンデンサなどの機器を設置する高圧受電設備です。大容量の電力を必要とする工場などでよく使われ、主に屋内に設置されます。メリット・デメリットは以下の通りです。
・メリット
開放型は機器が露出しているのに加えて広いスペースに設置されることから、目視点検やメンテナンスが簡単なのがメリットです。スペースに余裕があれば増設も簡単に行えます。
・デメリット
開放型は広いスペースを必要とするのに加え、設置・組み立てを現地でしなければならず、工期が長くなりやすいため工事費用も高くなりがちです。現場で組み立てる関係上、品質が工事担当者の腕前に左右されるという問題もあります。さらに、充電部が露出しているので感電リスクがあり、直射日光・風雨・塩害などによる故障リスクがある点に注意が必要です。
■キュービクル式受電設備の特徴
キュービクル式は、金属製の箱に受変電用の機器類を収めた高圧受電設備です。主に中規模の電力を消費する施設で使用され、屋内外を問わず設置できます。メリット・デメリットは以下の通りです。
・メリット
キュービクル式は、金属の箱に機器が収められているので感電のリスクが低く、環境の影響をあまり受けないので故障もしにくいなど、安全性の高さが大きなメリットです。機器がコンパクトに収まっているため、広いスペースも必要としません。さらに、あらかじめ工場で組み立てたものを設置するので品質が安定しており、工期が短く済むためコストも抑えられます。
・デメリット
キュービクル式は、先に工場で組み立ててから設置するという性質上、交換・増設の際に手間とコストがかかりやすいのがデメリットです。基本的に設置後の機能拡張が難しいため、将来拡張する可能性があるならそれを見越して設計しなければなりません。
■近年はメリットの多いキュービクル式受電設備が主流です!
ここまで見てきたように、2種類の高圧受電設備はどちらもメリットとデメリットがあります。それでは実際のところ、どちらの高圧受電設備の方が使いやすいのでしょうか?
結論からいうと、近年主流になっているのはキュービクル式受電設備です。15年ほど前までは開放型が主流だったのですが、保安点検時の感電リスクや環境による故障のリスク、設置コストの高さなど、デメリットの多さが目立ちます。そのため、低コストで安全性が高く、故障もしにくいキュービクル式が選ばれるケースが増えているのです。
もし今でも開放型の高圧受電設備を使っているのであれば、一度キュービクル式への変更を検討してみるのがおすすめです。もちろん、施設の状況によっては開放型の方が向いている場合もあります。まずは専門業者に相談し、どちらが適しているのかチェックしてもらいましょう。
平沼電設では茨城県鉾田市を拠点に、関東圏内で電気工事を手掛けています。キュービクル式受電設備の設置はもちろん、工場やビルの引き込み工事から配線工事、各種点検・メンテナンスまで何でも対応可能です。長年の実績と安全第一の施工管理で、質の高いメンテナンス、場合によっては修繕をお約束します。電気設備に関して少しでも困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。(https://hiranuma-densetsu.com/)